ロンドン、東京など人口が集中している都心で、全ての人が車を持つことになったら街はどうなるでしょうか?
車が建物の間を埋め尽くし、移動するどころか身動きが取れなくなるのではないかと私は考えています。
その為、都心に住む人々の移動に公共交通機関がとても重要な役割を担っています。
ロンドンを代表するUndergrand ができたのが1863年159年前。世界で1番古い地下鉄で、現在も修復を重ねながら多くの人の足とになり毎日ピーク時には534車両以上の電車がロンドン市内を駆け抜けています。1日平均200万人の人が利用し、5千6百人の人々が働く住民の生活を支える主要交通機関であり、多くの雇用も生み出しています。東京では、東京メトロという地下鉄があります。1927年(95年前)に開通し、現在1日平均740万人が利用し、9千8百人の人が働いています。
各国を代表する大きな都市ではこのように、電車に乗らない週がないくらい多くの人が公共交通機関を利用しています。
利用者が多いからこそ、問題になるのが電車の遅延・キャンセルです。
ロンドンに住んでる人なら1度は経験があるだろう電車の遅延・キャンセル。通勤時に発生すれば最悪で、電波の届かない地下鉄では携帯は只のおもちゃになり、連絡のできないまま確実に遅刻です。ただ、ロンドンの人々はそれが当たり前の為、遅延の遅刻では仕方ないという遅刻への理解があります。TFLが掲載している最新のパフォーマンス数値(2022年4月)では平日で88.70%休日で85.30%でした。2割前後で電車が正確に運行していないという事実は、やはり多くの人の生活に不便をもたらすのではないかと思います。
では、東京の場合はどうでしょうか。私の体感としては、ロンドンと比較すると遅延をしているイメージはありません。しかし遅延証明の発行日数を見てみると多くの路線で10日以上発行されている事が分かりました。ですが、東京の場合JR、東京メトロ、西武、小田急など地下鉄に限らず多くの路線が走っている為ロンドンより目的地へのアクセスの選択肢が幅広く存在します。その為遅延をしていても時間通りに目的地に到着できる場合が多いのではないかと考えています。
また、5分以上の遅延で、遅延証明書を発行することを知り、日本人の遅刻への意識の高さが顕著に表れていると感じます。
ロンドンと東京に共通して言えることとしては、公共交通機関は都心の生活・経済を支える要だという事です。ですが同じ都心でも遅延の意識の違いなどは国の文化の違い(ハイコンテクスト・ローコンテクスト)が背景にあるのではないかと感じました。